業務用エアコンの価格はいくら?工事費込みの相場を紹介
2025年8月17日更新
「価格の相場はいくら?」
「工事費込みだとどの程度になる?」
といった費用面の疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、業務用エアコンの本体価格と設置工事費を含めた費用相場を解説します。
選ぶ機種や設置環境によって変動するポイント、見積もりの見方、コストを抑える方法についても紹介します。
業務用エアコンの価格相場
業務用エアコンは、設置する施設の規模や用途に応じてさまざまなタイプ・能力が選ばれるため、価格も一律ではありません。
導入時には「本体価格」と「工事費」の両方を含めて検討する必要がありますが、まずは本体価格の相場を理解しておきましょう。
ここでは、代表的な種類ごとの価格帯の違いや、馬力(能力)ごとの目安を解説します。
主な種類と価格帯の違い
業務用エアコンには、用途や設置場所に応じていくつかのタイプがあります。
以下が代表的な種類です。
- ・天井カセット型(4方向・2方向)…天井に埋め込んで設置するタイプ
- ・天井吊り型…天井から吊り下げて設置するタイプ
- ・壁掛け型・床置き型…設置スペースが限られる場合や仮設施設などに使用される
- ・ダクト型…天井裏にダクトを通して複数の吹き出し口から空調するタイプ
設置場所の広さや使い方によって最適なタイプは異なりますが、基本的には天井カセット型が最もよく選ばれ、価格もバランスが取れています。
馬力ごとの本体価格の目安
業務用エアコンの価格は、「馬力(HP)」と呼ばれる冷暖房能力によって大きく左右されます。
以下は一般的な価格目安です。
- ・1.5馬力(主に10〜20㎡の空間向け)…約20万〜30万円前後
- ・2.5馬力(20〜40㎡)…約30万〜40万円前後
- ・4.0馬力(40〜60㎡)…約40万〜60万円前後
- ・5.0〜6.0馬力(60〜80㎡)…約50万〜80万円前後
- ・8.0馬力以上(80㎡以上)…80万円以上が目安
あくまで本体価格の目安であり、ここに工事費やオプション(リモコン追加・配管延長・室外機設置など)が加わることで総費用はさらに高くなります。
とはいえ、この目安を基準にすれば、相場とのズレや過剰な見積もりにも気づきやすくなるでしょう。
工事費込みでの相場
業務用エアコンの導入にあたっては、機器本体の価格だけでなく、設置工事費も含めた「総額」での相場感を把握しておきましょう。
とくに、業務用エアコンは一般家庭用と違って工事の内容が複雑になることも多く、設置環境や能力(馬力)によって工事費も大きく変動します。
ここでは、標準的な設置工事の内訳と、馬力ごとの費用感について解説します。
標準的な設置工事費の内訳
業務用エアコンの設置にかかる工事費には、以下のような項目が含まれます。
- ・本体取付工事費:室内機・室外機の設置作業に関する基本工事。
- ・配管工事費(冷媒管・ドレン管・電源線):室内機と室外機を接続するための配管工事。
- 電気工事費:専用電源の引き込みやブレーカーの増設、電圧の切り替えなど。
- ガス充填・真空引き:冷媒ガスの補充や真空引き作業。
- 廃棄費・撤去費:既存のエアコンがある場合は、その取り外しと処分費がかかります。
これらを含めた標準工事費の相場は、一般的に10万円〜25万円程度が目安です。
ただし、設置条件が複雑な場合や、階上への搬入が必要な場合などは、さらに費用が上乗せされるケースもあります。
馬力別・工事費込みの相場例
以下は、機器本体価格と標準工事費を含めた、馬力別の「工事費込み相場」の一例です(天井カセット型・冷暖房タイプの場合)
- ・1.5馬力(10〜20㎡):約30万〜45万円(本体価格20万+工事費10〜15万)
- ・2.5馬力(20〜40㎡):約40万〜60万円(本体価格30万+工事費10〜15万)
- ・4.0馬力(40〜60㎡):約55万〜80万円(本体価格45万+工事費15〜20万)
- ・5.0〜6.0馬力(60〜80㎡):約70万〜95万円(本体価格60万+工事費15〜25万)
- ・8.0馬力以上(80㎡以上):約90万〜130万円以上(本体価格80万+工事費20万以上)
これらはあくまで目安であり、現場状況によっては追加工事が発生することもあります。
例えば、隠蔽配管の再利用、室外機のクレーン搬入、夜間工事などが必要な場合、見積もりはさらに高くなります。
業務用エアコンの工事費が変動する要因
業務用エアコンの設置にかかる費用は、単に本体の価格と工事費の合計だけではありません。
現場の状況や施工の難易度に応じて、大きく金額が変動することがあります。
特に注意すべきは、追加工事や電気工事の有無、天井の構造などです。
ここでは、費用に影響する代表的な要因について詳しく解説します。
配管の長さや追加工事の有無
設置場所によっては、室内機と室外機の距離が離れており、その分だけ配管の延長が必要になります。
冷媒配管やドレン配管、電源ケーブルなどの長さが標準施工範囲を超える場合、延長1メートルあたり数千円〜1万円程度の追加費用が発生することがあります。
また、以下のような追加工事も費用に影響します。
- ・既存エアコンの撤去・廃棄費
- ・高所作業(脚立・足場・クレーンなど)
- ・壁や天井の補強・補修
- ・配管ルート変更による壁開口や貫通穴追加
- ・隠蔽配管から露出配管への切り替え
特に隠蔽配管の建物や、飲食店など設備が複雑な現場では、これらの追加工事が前提となるケースも多いです。
電気工事や天井開口などの付帯工事
業務用エアコンは家庭用と違って、電気容量が大きく、200Vの三相電源を必要とする機種も多くあります。
そのため、既存の分電盤が対応していない場合は専用ブレーカーの増設や電圧切替、配線の新設など、専門の電気工事が必要となります。
また、天井カセット型の室内機を埋め込む場合には、天井材の切断や開口工事、補強作業も伴います。
古い建物では天井裏のスペースが狭く、機器が収まらないケースもあるため、その場合は天井の張替えやボード補修なども発生します。
これらの工事は設備の構造次第で工数が大きく変わるため、見積もり時点では数万円〜十数万円の差が出る可能性もあります。
業務用エアコンの費用を抑える方法
業務用エアコンの導入には高額な費用がかかります。
設置環境や性能要件によっては100万円を超えるケースもあるため、導入前に検討しておくべき節約方法があります。
ここでは、費用負担を軽減するための2つの具体的なポイントを紹介します。
補助金や助成金の活用
国や自治体が提供する省エネルギー関連の補助金・助成金制度を活用すれば、業務用エアコンの導入費用を大きく抑えられます。
代表的な制度には以下のようなものがあります。
- ・省エネルギー投資促進支援事業費補助金(経産省)
- ・中小企業等の設備投資補助金(自治体)
- ・CO₂削減補助金、環境配慮型建物への支援制度
申請には事前の書類提出や見積もり、現地写真、導入目的の記載などが必要になる場合があるため、早めに準備をしておきましょう。
また、申請時期が決まっている制度も多いため、導入スケジュールと照らし合わせて情報収集を行いましょう。
リースや中古品の検討
初期費用を抑えたい場合、リース契約や中古エアコンの導入も一つの選択肢です。
リースは、月々の定額支払いでエアコンを使用できるため、大きな資金を一括で用意する必要がありません。
契約期間終了後には買取・更新・返却のいずれかを選択できるため、柔軟な設備運用が可能です。
また、リース料金に保守点検費や修理費が含まれるプランもあり、管理の手間が省ける点も魅力です。
一方、中古エアコンは新品に比べて大幅に安く導入できますが、製造年・使用年数・保証の有無を必ず確認しましょう。
特に業務用の場合は稼働時間が長いため、整備済みの信頼できる販売業者から購入することが前提です。
業務用エアコンの設置は費用と計画を
業務用エアコンの導入は、機種や馬力、設置環境によって大きく費用が変動する設備投資です。
本体価格だけでなく、設置工事費、配管・電源工事などの付帯費用も含めて全体像を把握することが重要です。
神奈川中央電気工事でも、業務用エアコンの工事をおこなっております。
費用感を把握したい場合は、一度ご相談ください。