マンションのエアコン隠蔽配管の注意点
2025年8月17日更新
マンションでよく見られる「隠蔽配管」方式のエアコンは、室内に配管が露出しないため、見た目がすっきりとしていて人気があります。
しかし、いざエアコンを交換しようとすると、配管の劣化や勾配不良、管理規約による制約など、さまざまなハードルが立ちはだかります。
特に築年数の経ったマンションでは、配管の再利用ができるかどうかの判断が重要になり、安易な工事は水漏れや追加費用といったトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、隠蔽配管が施されたマンションでエアコンを交換する際に注意すべき点を詳しく解説します。
隠蔽配管のマンションでエアコン交換する際の注意点
マンションに多く採用されている「隠蔽配管」は、見た目がスッキリしている反面、後からのエアコン交換や修理時にさまざまな注意点が生じます。
とくに、配管の再利用可否や、ドレン配管の勾配、詰まりといった問題には慎重な確認が必要です。
以下では、隠蔽配管のままエアコンを交換する際に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
配管の再利用が可能かの判断
隠蔽配管のエアコンを交換する際、既存の冷媒配管を再利用できるかどうかは重要な検討ポイントです。
冷媒配管は通常、銅管で構成されており、長期間使用すると内面に劣化や汚れが蓄積していることがあります。
特に、旧式のR22冷媒から現在主流のR32やR410Aへの変更を伴う場合、既存配管が対応していないケースもあるため要注意です。
再利用するには「フラッシング」と呼ばれる内部洗浄が必要になりますが、完全に汚れを除去できる保証はなく、万一ガス漏れや目詰まりが起きた場合には高額な再工事となるリスクもあります。
そのため、築年数が10年以上経っている場合や、過去にトラブル歴がある配管は基本的に新設を検討した方が安心です。
ドレン配管の勾配とつまりにも注意
見落としがちな注意点が、ドレン配管の勾配と詰まりです。
エアコン内部で発生した結露水は、ドレンホースを通じて屋外へ排水されますが、隠蔽配管ではこの経路が壁や天井の中を通るため、勾配が不足していると水がスムーズに流れず、水漏れの原因になります。
さらに、ホコリやカビ、虫の死骸などが配管内に溜まることで排水が詰まり、内部から水が逆流して壁や天井にシミを作ってしまう事例も少なくありません。
こうしたトラブルは目視できない場所で進行するため、見えない被害に気付きにくく、発覚したときにはすでに内装にダメージが及んでいることもあります。
マンションならではの制限と確認事項
マンションでのエアコン交換や新設工事では、一戸建てとは異なるルールや物理的な制約が存在します。
専有部分と共用部分の区分、管理規約による工事制限、防音や美観に対する配慮など、事前確認が不十分だと工事そのものが許可されないこともあります。
ここでは、特に注意すべきポイントを紹介します。
ベランダ側の穴あけ・配管変更は要注意
マンションのベランダや外壁に面する部分に穴を開けたり、既存の配管ルートを変更する工事には、特別な注意が必要です。
というのも、これらの部分は「共用部分」にあたるケースが多く、居住者が自由に工事できないことが一般的です。
特に、穴あけ工事や室外機の設置場所変更などは、建物の外観や構造に影響を与える可能性があるため、管理組合の承認を得なければならない場合があります。
勝手に作業を進めてしまうと、復旧工事や違約金の対象になることもあるため、必ず施工前に管理会社へ相談し、許可を得てください。
管理規約にあるエアコン工事の取り決め
マンションには、各住戸での工事に関して詳細なルールを定めた「管理規約」があります。
エアコン工事についても例外ではありません。
施工可能な時間帯、業者への届け出の有無、配管の通し方や室外機の設置位置まで細かく記載されていることもあります。
これらの規約に違反すると、工事の中断ややり直しを求められる可能性があるため、着工前にしっかりと規約を確認し、必要に応じて管理会社に書面で確認をとりましょう。
マンションのエアコン隠蔽配管は信頼できる業者へ
隠蔽配管があるマンションでのエアコン交換は、通常の取り付け工事よりも注意点が多く、施工の難易度も高くなります。
管理規約の確認や共用部分への配慮はもちろんのこと、業者選びも非常に重要です。
隠蔽配管の施工実績があり、現地調査や説明を丁寧に行ってくれる業者を選ぶことで、安心してエアコン交換を進めることができます。
神奈川中央電気工事でも、マンションのエアコン隠蔽配管をおこなっております。
ぜひマンションのエアコン設置の際は、ご相談ください。